2012年5月8日火曜日

英文法に関する質問です。 同格のthatは通例名詞を修飾しますが、名詞句や名詞節を...

英文法に関する質問です。

同格のthatは通例名詞を修飾しますが、名詞句や名詞節を修飾することはできるのでしょうか。







あまり考えられないですね。何故なら、同格の that が修飾する「名詞」は多くの場合、目的語に that 節を取る動詞の派生語であるためです。



例:

She informed me that my brother had an accident.



She gave me information that my brother had an accident.



故に同格の that は文法上は (元の動詞に対する場合と同様に) 接続詞となります。この前提で、あなたの質問にあるような「名詞句や名詞節」が思い付くか考えてみてください。



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以下は英文の「修飾」に関するヒントです。



日本語で英文法を教わると、形容詞・副詞を始めとして何でもひと括りに「修飾」と言う場合が多いようです。純粋な「修飾」を表す英文法の用語は modify で、英文中の修飾語 (modifier) の位置は、日本語同様に前置修飾 (美しい花、のような形) が基本です。前置修飾は副詞 (形容詞や動詞を修飾する副詞) も同様ですが、例外的に「自動詞を修飾する場合は後置修飾 (速く走る = run fast の形)」になります。



後置修飾は、例外的に (頻繁ですが) modifier が句や節である場合にも起こります。いわゆる形容詞句や副詞句になりますが、数詞や連語を除けば、その多くは関係詞 (代名詞・副詞・形容詞) に由来することが分かるでしょう。



関係代名詞

She has already read the book (that/which) I bought her yesterday.



関係副詞

She will enter the girl school where my elder sister graduated.



関係形容詞

She quickly answers back to whatever question is asked.





これらの関係詞は、日本語に訳した状態では先行詞を「修飾」していることになりますが、英文法上では決して modify や modifier とは呼ばれることはありません。常に関係詞によって、先行詞に関する「説明が導かれる」という解釈です。これは、関係詞の制限用法・継続 (非制限) 用法にかかわらず同じです。



つまり、日本語の「修飾」という言葉に惑わされてしまうと、関係詞が本来持っている「付帯性」が訳文から削がれ、英文を無理に後ろから訳して「日本語的に前置修飾した変テコリンな訳文」が出来上がったり、文法にとらわれ過ぎて誤訳したりします。



同様に、ある他動詞が that 節を目的語に取ると理解しながら「that 節が動詞を修飾している」という表現も多く見られますが、これはもちろん誤りで「その他動詞の目的語 (節) は接続詞 that によって導かれる」というのが英文法上の解釈です。



modify ないし modifier には「性質を変える」という意味がありますから、安易に「修飾する」という表現は誤解を招きます。修飾するという考え方をした途端に「英語は後ろから訳す」という日本語の発想しかできなくなるので注意が必要です。

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